この記事は、
- 日本国内で外国人留学生のサポート業務に携わっている方
- 日本にいながら国際交流に携わりたい方
に向けて書いております。
各種手続きをわかりやすく提示しました。
是非、活用いただけましたら幸いです。
外国でハプニングに巻き込まれるのは、なんとも心細いものです。
自治体や大学では、日本で暮らすときのルールや有益な情報を記したガイドブックを作って配布しています。
しかしそれだけでは不十分な場合もあります。
こういうときこそ、皆さんの出番だと私は思っています。
在留期間延長
留学が予定通りに進まない場合、在留期間を延長することができます。
例えば、留年してしまったり、先のCOVID-19の時のように社会の動きがストップしてしまったり、理由はいろいろ考えられます。
留年の場合
留年の場合は、大学に対して留年の手続きをした後、在留したい時期までの在学証明が取れれば、留学ビザを延長できます。
卒業済の場合
大学は無事卒業したけれど、もう少し日本にとどまりたいという場合もあるでしょう。
例えば、論文を発表してから帰りたい場合などです。
こういう場合、一旦大学を卒業してしまったらもう留年はできませんから、入国するときの逆で、研究生として留学ビザを延長するか、外国人客員研究員として文化活動ビザに資格変更します。
家族の帰国に合わせる場合
もう大学でやることはないけれど、家族と一緒に帰国するためにしばらくとどまる人もいます。
例えば配偶者が留学ビザを持っているならば、「家族滞在」ビザに資格変更すれば大丈夫です。
「家族滞在」ビザについては、次の記事で詳しく述べます。
資格変更に伴う手続き
在留資格の延長や資格変更があると、そのたびに住民登録や子どもの保育所の書類変更など、手続きを行わなければならなくなります。
けがをした・病気になった
どんなに気をつけていても、病院にかかる事態は起こるものです。
複雑な日本の病院システム
病院に行きたいけれど、日本人にとっても病院のシステムは複雑で面倒です。
例えば、受付時間が何時までか、予約はできるのか、問診票の質問項目が多すぎる、などです。
とはいえいざ診察が始まれば、英語のできるお医者さんは一定数います。
留学生のほうも大体どの国の出身者でも英語でのコミュニケーションはできるでしょう。
それに診察というと、部位や症状などの医療用語は難しいものが多く、結局翻訳アプリを使ったりします。
付き添いがベスト
ですからみなさんの役目は、複雑な受付システムのサポートです。
お医者さんの意思に関係なく、受付スタッフが外国人を断ってしまうクリニックも実は多いのです。
また日本の病院は、健康保険証、診察券、予診票、接種券など、とにかく持ち物が多いです。
総合病院にかかれば、2階で採血、3階でレントゲン、1階で支払いなど、日本人でも迷ってしまいます。
診察後は処方箋をもらって、今度は処方箋薬局で薬を購入しなければなりません。
このような複雑な経路は経験しなければ知らないことも多いので、余裕があれば一度、最初から最後まで付き添ってあげられたらいいと思います。
留学中に出産するケースも
留学中に出産した学生もいました。
当時はCOVID-19のパンデミック中で、家族でもない私が付き添える事柄にもかなりの制限がかかり、大変だったのを記憶しています。
同じくパンデミックが理由で母国から家族を呼び寄せることもかなわず、彼女は文字通りひとりで産み、ひとりで育てました。
本当に尊敬します。
あなたの経験が生きる
反対に平時であれば、出産や育児にも、皆さんには大いにかかわっていただけたらと思います。
特にあなたがそれらの人生のイベントを経験した方であるならなおさら、留学生の心強いサポーターになるのではないかと思います。
事故に遭った・犯罪に巻き込まれた
私たちの多くもそうですが、警察沙汰になるのを非常に嫌がる留学生もいます。
留学生だけでは不安でしょうから、もしも警察のお世話になるときが来たら、同行するなどのサポートをしてあげてください。
交通違反は意外と多い
車やバイクに乗る人は、交通違反を犯したり事故に遭ったりすれば、警察官と対面することになります。
やはり警察官の制服はそれだけで威圧感がありますから、外国で警察官に問い詰められるのが怖いのもわかります。
でも、だからといって逃げてしまっては、事態をもっと悪いものにします。
交通事故や交通違反程度で大学や本国に連絡が行くことはありませんし、退学や強制送還などありえません。
詐欺被害に注意
外国人だからこそ、詐欺などの犯罪被害に巻き込まれやすいということも考えられます。
詐欺被害は立証が難しく、被害を訴え出てもあらぬ疑いをかけられてしまうこともあります。
また被害届を出したからといって被害額が弁償される保証もありません。
ですからどうしても警察に行かなければならないわけではありませんが、もしもそのようなトラブルに巻き込まれたら、相談相手になってあげてほしいと思います。
詐欺以外では、窃盗や傷害などの被害者になることが考えられます。
そんな時は、必ず警察署へ一緒について行ってあげて、正確に被害を通告できるよう、尽力してあげてください。
警察署も予約推奨
警察署に付き添いで行く場合は、あらかじめ電話で連絡をしたほうがいいです。
また留学生と一緒に聴取室に通された後、付添人も住所や氏名、連絡先など細かな個人情報を聴取されると思います。
この場合、勤務先の住所や社員証ではなく、あなた自身の運転免許証等の提示を求められると思います。
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