この記事は、
- 日本国内で外国人留学生のサポート業務に携わっている方
- 日本にいながら国際交流に携わりたい方
に向けて書いております。
各種手続きをわかりやすく提示しました。
是非、活用いただけましたら幸いです。
日本の大学や大学院に通うためには、その入試に合格する必要があります。
場合によっては、受験の時点からサポートが必要になる場合もあります。
ここでは、4つのパターンについて説明します。
受験と来日のタイミング
- 本国で受験する
- パスポートで来日し受験後すぐ帰国、合格発表後に在留資格を取得
- 留学ビザを取得し受験時から日本に滞在、合格発表後に留学ビザを延長
- 文化活動ビザを取得し受験時から日本に滞在、合格発表後に留学ビザに変更
本国で受験する
まず調べなければいけないのは、本国にいながら受験が可能なのかどうかです。
ビデオ通話などを使って本国にいながら受験が可能なのであれば、合格通知の発行後に留学ビザの申請を行えばよいでしょう。
ですがこの場合、来日が入学式に間に合わない可能性がありますので、その点は本人や大学側と情報を共有しておいてください。
日本で受験する
日本に来て受験しなければならない場合、3つの方法があります。
パスポートで来日する
最も簡単な方法は、旅券(パスポート)で来日する方法です。
観光旅行などと同じ要領で、受験のために数日間日本に滞在し、すぐに本国に帰国します。
そして合格通知の発行をもって、留学ビザの申請を行うという方法です。
ただ、簡単に外国に行けない人もいます。
例えば軍人です。
彼らがビザなしで外国に行く際には軍の許可が必要なことが多く、そのために軍に招聘状を送るという作業が生じることもあります。
またこの場合も、来日が入学式に間に合わない可能性があります。
「留学ビザ」で来日する
次に、「研究生」となり「留学」ビザを使って受験日から日本に滞在する方法です。
大学には、「研究生」というポジションがあります。
これは学生の扱いなので、受験(申請程度の簡単なものが一般的)があり、入学金や学費がかかります。
どういう人が主に使うかというと、論文を発表したい人たちです。
その大学の「研究生」であれば肩書として大学名を使えますし、「研究生」は学生なのでいろいろなサービス(図書館や寮・学割など)も受けられます。
また学生であるということは、取得するビザは「留学」ビザになります。
そして「留学」ビザなら、週28時間までアルバイトが可能になります。
研究生来日のスケジュール
例えば大学受験が1月で、合格発表が3月、入学が4月だとします。
この場合、1・2・3月は「研究生」、4月以降に大学(院)生の身分になります。
手続きとしては、秋ごろに大学に「研究生」申請の手続きをし、内定通知が来たら最寄りの地方出入国在留管理官署に留学ビザの申請を行います。
在留資格認定証明書が発行されたらそれを本国に郵送し、本人が本国でビザ発給を受けて入国し、日本で受験します。
その後大学の合格通知が発行されたら、「留学」ビザの延長申請を行います。
「文化活動ビザ」で来日する
「外国人客員研究員」となり「文化活動」ビザを使って受験日から日本に滞在するという方法もあります。
日本の多くの大学には、「外国人客員研究員」というポジションがあります。
大学から給料は出ないけれど大学に滞在する資格はあり、授業料等の納付も必要ありません。
結局のところ、在留資格取得のための身分といっても過言ではありませんが、学識者・研究者としての資格や学力が必要で、受け入れ先の大学から認められない限り手にできません。
日本の大学院に入学する際、学生本人と本国の教授、受け入れ先の日本の教授の間で、あらかじめ話がまとまっていることがあります。
そういう場合、不合格になることはあり得ませんから、受験時から日本に滞在して準備を進めたい留学生も多いです。
「外国人客員研究員」の証明書があれば「文化活動」ビザを取得できるので、大学院の合格証書が出る以前に日本にいることができます。
同じく入学が4月の場合、秋ごろに大学に「外国人客員研究員」の申請を行い、内定通知が出たら最寄りの地方出入国在留管理官署に「文化活動」ビザの申請を行います。
在留資格認定証明書が発行されたらそれを本国に郵送し、本人が本国でビザ発給を受けて入国し、日本で受験、大学の合格通知が発行されたら「留学」ビザに資格変更します。
外国人客員研究員になれない場合
ただし、現地の大学をまだ卒業していない(卒業見込み)学生や、論文や業績に乏しい学生などは、「外国人客員研究員」になれないことがありますので、そういう場合は「研究生」を選ぶことになります。
支払い方法に注意
さて、日本にはいまだに海外から出願できない大学がたくさんありますので、注意してください。
大学院入試など、入学がほぼ確約された学生とは入学前からやりとりが始まることが多く、出願を代行する場面も出てくると思います。
インターネット出願はできるけれど、受験料や入学金が日本国内からでないと支払えない、というトリッキーな大学もあります。
たとえば、インターネットで出願すると日本の銀行やコンビニの払込書が出てきてしまったり、海外送金不可の大学もあったりします。
通常受験料を支払って初めて出願が完了となるので、このような場合は日本にいる誰かが立て替えるしかありません。
こういうケースは意外にもよくあり、受け入れる研究室の教授が支払っていることが多いようです。
また受験生本人の署名やサインが必要な場合は、受験票原本を郵送する必要があります。
出願期間内に入試課に届けられるよう、こちらも時間に余裕をもって準備してください。
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